花王は、日本のトイレタリー市場のパイオニアとして知られる老舗メーカー。洗剤やサニタリー消費など毎日の暮らしを快適にする製品や、化粧品をはじめとするビューティケア製品に加え、健康をサポートする機能性食品分野の製品などにも事業分野を拡大。工業用の油脂製品、可塑剤なども生産しており、幅広く展開している。
現在、 国内花王グループ各社は連結ベースで20社余りある。それらグループ企業の経理や各種事務作業などの間接業務部門を一手に担っているのが、花王ビジネスアソシエだ。同社は、花王グループのシェアードサービス会社として各種サービス業務を行っている。
EDIとは、受発注や出荷、請求、支払などの企業間の各種取引情報を電子化し、自動的に処理する仕組みのこと。特に取引量の多い企業では、EDIを導入し、人が介入しなくても受発注を自動的に行うケースが多く見られる。スーパーやドラッグストアなど大型小売店の中には、POSレジと連携させ、売れた商品分を自動的に発注することで在庫数を最適に保つ、といった使われ方もされている。
しかし、もちろんすべての企業間取引でEDIが使われるわけではない。地方の企業や中小企業などとの取引では、紙の帳票が使われるケースも少なくない。
「花王グループは、“地域の皆さんとともに成長する”ということを重視し、展開してきました。 取引先様は数万を下りません。大手企業様はもちろん、地域に根付いたお取引先様ともお取引していただいています。EDIを導入できる部分に関しては進めてきましたが、どうしても紙の帳票で受発注や請求支払をしなければならないケースも少なくありません」こういった紙の帳票は、花王グループの担当者が必要な項目を確認・チェックした後、基幹システムに転記する必要がある。そのため、膨大な人数を帳票の処理に充てなければならない。
「請求書の処理業務については、グループ全体で6,000人ほどが携わっています。帳票1件当たりの処理時間は5~7分程度。請求書の処理だけでも膨大な時間と工数が掛けられているのです」花王ビジネスアソシエは、このように集められた請求書の勘定科目や請求金額のほか、源泉徴収税や消費税といった税金関係の確認、下請法などに抵触していないかなどについても細かくチェックしているという。
「取引先の中には、同じグループ会社でも支店ごとに帳票の書式が異なるという場合も少なくありません。そのため、帳票の数だけナレッジの蓄積が必要となります。この作業をどうやってデジタルトランスフォーメーション(DX)し、業務効率や生産性を向上していくのか、ということが大きな課題でした」
そこで注目したのが「ABBYY FlexiCapture®」だ。本製品はOCRや機械学習、自然言語処 理といったテクノロジーを活用し、文書業務の効率を高め、意思決定のスピードを高めるソリューション。紙やファクス、電子メール、複合機など、さまざまな文書やフォームから必要なデータを抽出・検証・取り込むことができるインテリジェント・プラットフォームだ。RPAやERP、CRM、 BPM、会計システムなど企業の情報システムとスムーズに接続できその結果、業務プロセスを即応的なものとすることができるソリューションとなっている。
花王では、紙の帳票から抽出した情報を、業務ルール・要件に則って識別・検証し、自動的に基幹システムに転記している。異なる書式の請求書であっても、FlexiCaptureを使えば、必 要な項目が業務システムに入力される。これにより、業務効率は大幅に向上し、請求書関連業務の75%ほどが削減される見込みとのことだ。
さらに「FlexiCaptureを使う事で、紙の帳票を人が処理する必要がなくなり、これまででき なかったデータ管理ができるようになります。業務効率が上がるだけでなくガバナンスの強化にも繋がる取り組みを進めています。」
製品の導入により、請求書の入力処理に人が介入する余地が減り、「転記ミス」や「記載ミス」などが削減される。またFlexiCaptureを使い集約してデジタル化する事で、業者と経理担当 者間の連携が強化され、誤請求や支払遅れなどのトラブルも起こりにくくなる。支払業務プロセス全体の効率化に加え、ガバナンスの強化も同時に達成されるわけだ。
「昨今、“環境(Environment)”、“社会(Social)”、“ガバナンス(Governance)”の頭文 字をとったESGを重視する企業が増えています。花王グループは、以前からESGに立脚した活動を続けており、FlexiCaptureは、そういった流れにも沿ったソリューションだと考えてい ます」
「ESG」は、財務状況だけではわからない「企業の長期的な成長」を評価する際の指標として、最近特に注目されている。実際、年金基金など大きな資産を長期的に運用する機関投資家を中心に、ESGの観点を考慮し企業評価を行うケースが増えているため、ESGに着目し活動する企業が増えている。花王は、「そういった活動にもFlexiCaptureが活用できる」と 考えているのだ。
「FlexiCaptureの本格稼働はこれからですが、本稼働が今から楽しみです」と、将来の展望 を語った。「この検証結果を基に、2年間を掛けて部門や事業所ごとにFlexiCaptureによる DXを実施していく予定です」DXの実現は、多くの企業が抱えている課題。デジタルテクノロジーが進化していく中、製品、サービス、ビジネスモデルも変化し続けている。進化しているデジタル技術を使い、人々の成果をよりよいものへの変革するために、DXは欠かせない。花王はそのための一歩を、ABBYYのFlexiCapture®をつかって踏み出そうとしている。
そこで注目したのが「ABBYY FlexiCapture®」だ。本製品はOCRや機械学習、自然言語処 理といったテクノロジーを活用し、文書業務の効率を高め、意思決定のスピードを高めるソリューション。紙やファクス、電子メール、複合機など、さまざまな文書やフォームから必要なデータを抽出・検証・取り込むことができるインテリジェント・プラットフォームだ。RPAやERP、CRM、 BPM、会計システムなど企業の情報システムとスムーズに接続できその結果、業務プロセスを即応的なものとすることができるソリューションとなっている。
花王では、紙の帳票から抽出した情報を、業務ルール・要件に則って識別・検証し、自動的に基幹システムに転記している。異なる書式の請求書であっても、FlexiCaptureを使えば、必 要な項目が業務システムに入力される。これにより、業務効率は大幅に向上し、請求書関連業務の75%ほどが削減される見込みとのことだ。
製品の導入により、請求書の入力処理に人が介入する余地が減り、「転記ミス」や「記載ミス」などが削減される。またFlexiCaptureを使い集約してデジタル化する事で、業者と経理担当 者間の連携が強化され、誤請求や支払遅れなどのトラブルも起こりにくくなる。支払業務プロセス全体の効率化に加え、ガバナンスの強化も同時に達成されるわけだ。