お客様のストーリーに戻る

UiPathとABBYY FlexiCaptureを連携
紙請求書に基づく支払処理を自動化し、生産性が大幅アップ

Information & Communication | Accounts Payable

お客様の概要

氏名 NTT コミュニケーションズ株式会社
本社 東京都千代田区大手町2-3-1 大手町プレイス ウエストタワー
業界・業種 情報・通信業
ウェブサイト
チャレンジ

人手がかかる紙請求書への対応が課題

ソリューション

ABBYY FlexiCapture

結果

年間4000時間を超える作業時間を削減と年間3万件の紙請求書を自動的に処理が可能に

業務効率の向上を目指し、AI-OCR「ABBYY FlexiCapture」を導入。紙の請求書を自動的に読み取り、必要な項目を業務システムに入力するシステムを、RPA(Robotic Process Automation)ツール「UiPath」と組み合わせて構築した。その結果、3万件に及ぶ請求書を自動的に処理できるようになり、年間4000時間を超える稼働を削減した。

■人手がかかる紙請求書への対応が課題

世界でも有数の電気通信事業者として知られるNTTのグループ企業の1社「NTTコミュニケーションズ」。

同社は、顧客のデジタルトランスフォーメーション実現に貢献する「DX Enabler®」として、ICTの活用による経営課題の解決やスマートな社会の実現に取り組み、これまで以上に充実した体制とソリューションで顧客のグローバルビジネスをサポートしている。

2019年7月にはグローバル事業の統合を通じ提供できるサービスメニューを拡充。サポートエリアについても拡大した。

NTTコミュニケーションズのプロキュアメント&ビリング部は、同社の資材や部品の調達・購買やそれに伴う契約・支払業務などを行っている。

「当社の物品の調達件数は年間4万件で、役務契約件数は年間3万件ほど。役務支払件数は年間17万件にも及んでいます」とプロキュアメント&ビリング部 戦略部門 担当課長 八木 隆司氏は語る。

契約や支払業務には人手を割かねばならないため、取り扱う件数の増加に比例して事務作業も増加する。これが、同部の大きな課題となっていた。

■紙の情報をデータ化するAI-OCRに着目

そこで同部は、2008年から生産性の向上や業務効率化を目指し、電子契約を開始。調達データを「見える化」し、「戦略的調達」を行うようになった。2017年には、取引先との連携も強化し、徹底した役務プロセスの自動化を推進。調達プロセスを可視化することで、調達オペレーションの最適化や、コンプライアンスの強化なども行ってきた。

2018年には契約センタ・支払センタの業務プロセスを精査し、RPAの導入を推進。「UiPath」を導入し、30%以上の生産性向上を実現している。

「このように、DXを推進することで生産性を向上してきました。しかし、どうしても電子化できない取引先が1000社ほど残り、年間6万件ほどの紙請求書に基づく支払処理が生じてしまいます。この効率化が大きな課題となっていました」(プロキュアメント&ビリング部 戦略部門 主査 森 明彦氏)

紙請求書は取引先ごとに形式が異なるため、機械で自動化しにくい。そのため、紙の請求書が届くと、これまではスタッフが目視で確認し、必要な情報を業務管理システムに入力しなければならなかった。

スタッフのスキルを向上させることで、ある程度、作業時間を短縮することはできる。しかし、膨大な数の請求書を処理するには、どうしても多くの時間と工数が必要になる。人手の対応で生産性を向上させるには限界があるということがわかったのだ。

そこで着目したのがAI-OCRを使った業務効率化だ。AI-OCRとは、AI(人工知能)を取り入れたOCR(光学文字認識)のことである。

AI-OCRを使えば、さまざまな請求書のパターンをAI-OCRが判断し、必要な項目のみをデータ化できる。取得したデータは、RPAを使うことで業務システムに自動的に入力可能だ。つまり、AI-OCRを使えば、属人的な業務をデジタル化でき、大幅な生産性の向上が見込めるというわけだ。

2019年には、「AI-OCR」の導入検討に着手。情報収集や評価・検証作業を行い、「ABBYY FlexiCapture」を導入した。

ABBYY FlexiCaptureは、OCRや機械学習、自然言語処理といったテクノロジーを活用し文書業務の効率を高め、意思決定のスピードを高めるソリューション。紙やファクス、電子メール、複合機など、さまざまな文書やフォームから必要なデータを抽出・検証・取り込むことができるインテリジェント・プラットフォームだ。既存のさまざまなRPAやERP、CRM、BPM、会計システムなど、企業の情報システムとスムーズに接続できる。

八木氏は、“ABBYY FlexiCapture”の導入を決めたポイントについて「セキュリティの観点からオンプレミスで構築できることや、既存RPA(UiPath)と接続できる“コネクタ”が用意されており連携しやすかったためです。その他、性能、価格などを総合的に評価した結果です」と説明する。

■効果的な運用で生産性が大幅アップ

このように、ABBYY FlexiCaptureの選定およびPoCはスムーズに進んだ。しかし、構築フェーズで問題が発生した。

PoCでは高い精度を誇ったABBYY FlexiCaptureだったが、開発中には文字を誤認識する等の問題が発生してしまった。その問題もABBYY社の協力で解消されたという。

「教育プログラムを通じてノウハウを提供してもらったほか、ABBYY社のエンジニアがチューニングを支援して頂き、精度を高めることができました」(デジタル改革推進部 情報システム部門 久保田 圭介氏)このようなサポート力も、大きな魅力であったという。

現在では、請求書の受領・登録の際にABBYY FlexiCaptureが使われており、本番環境で運用されている。

その結果、年間4000時間を超える作業時間を削減できたほか、年間3万件の紙請求書を自動的に処理できるようになった。

これだけ高い効果を上げることができた要因の一つとして、ABBYY FlexiCaptureを使って自動的に処理する企業数を絞ったことがあげられる。

すべての請求書に対応しようとすると、それだけチューニングをしなければならず、かえって工数がかかってしまう。また、取引先が請求書の形式を変えると、それに対応しなければならず、運用工数も増える。こうしたことを鑑みて、同社は対応する企業数や請求書の形式の数を絞り、投資額を抑えつつ生産性を向上させることに成功したのだ。

「今回、プロキュアメント&ビリング部では紙請求の支払処理が多い上位30社に絞りABBYY FlexiCaptureを適応しました。これだけでも、受領している紙請求書全体の50%程をAI-OCRで処理することができます」
(プロキュアメント&ビリング部 戦略部門 主査 森 明彦氏)

■ノウハウを横展開し、グループ企業や顧客のショーケースに

ABBYY FlexiCaptureを導入することによって、生産性向上施策(DX推進)の中で最後まで残ってしまった「紙」の請求書処理の効率化を実現したプロキュアメント&ビリング部。同様の課題を持つ企業にとって、同部のショーケースは参考になる部分が多い。

「今回はプロキュアメント&ビリング部でABBYY FlexiCaptureを使いましたが、同様の課題は他の部にもあります。デジタル改革推進部としては、プロキュアメント&ビリング部のノウハウを横展開し、当社全体の生産性向上に寄与したいと考えています。また、効率化やDXのノウハウはショーケース化することで、NTTグループ各社やお客様にも展開していく予定です」
(デジタル改革推進部 情報システム部門 担当課長 野澤 直之氏)
SNSでフォロー