今すぐに一人でも始められる電子帳簿保存法への対応と、PDF電子保存の活用

1.電子帳簿保存法の背景

昨今、電子データによる取引が一般化してきているため、領収書や請求書などの商取引に使われる帳簿書類がメールで送られてくることは珍しくなくなりましたが、同時に電子データであるため、容易に変更が可能であり税務調査上の問題があります。

そこで政府は、電子データであっても改ざんされていないことを証明できるような仕組みを考え、電子帳簿保存法として施行しました。これにより、企業の帳簿管理において、様々な税法で原則的に紙での保存が義務付けられている帳簿書類は、電子帳簿保存法によって一定の要件を満たせば、パソコンのファイルとして電子保存しておくことができます。

2.電子帳簿保存法に対応するための要件(真実性・可視性)

電子データは紙に比べて簡単に変更できるという特性を持つため、帳簿などの書類に適用する場合は改ざんされていないことを証明する「真実性」が必要になります。国税庁が提示する真実性の要件には4つありますが、電子的に対応する方法としてタイムスタンプという暗号化技術を使って文書が変更されていないことを証明するか、もしくは変更があった場合の履歴を残しておくことができるクラウドストレージなどの活用を挙げています。

また、電子データは紙と異なり、書類を表示できるパソコン等が必要です。これを定めているのが可視性の要件であり、明瞭に閲覧できるだけではなく、調査を円滑にするための検索機能も要件として挙げられています。取引書類の検索に使われる条件は、取引先・日付・金額の3つで、大規模な検索システムを導入する必要は無く、図1のような索引簿を作って検索することが認められています。

今すぐに一人でも始められる電子帳簿保存法への対応と、PDF電子保存の活用

図1.索引簿(国税庁_電子帳簿保存法一問一答 問12より引用)

3.各要件(真実性・可視性)への対応方法は?

まず、真実性を証明するためにクラウドストレージを活用する方法について考えてみましょう。Microsoft Word等をご利用の方はOneDriveも使える場合が多いと思われますが、ここにPDF化した注文書などを保存しておくと自動的に変更履歴が残ります。ファイルを右クリックして「バージョン履歴」を選択すると、図2のように履歴が表示され、過去のファイルをダウンロードできるようになり、改ざんの有無が証明できます。他の方法としては、弊社ABBYY FineReader PDF 15デジタル署名機能を使って、タイムスタンプサーバーと連携する方法もあります。

今すぐに一人でも始められる電子帳簿保存法への対応と、PDF電子保存の活用

図2.バージョン履歴

次に、可視性の要件を満たす索引簿を作ってみましょう。弊社のFineReader PDF 15を使うと、OCR機能を使って紙やFAXから生成された画像ファイルを、検索可能なPDFとして電子保存しておくことで、探し出しやすくなり管理上便利になります。また、書類から必要な項目だけを抜き出してCSVファイルとしても出力できます(図3)。

今すぐに一人でも始められる電子帳簿保存法への対応と、PDF電子保存の活用

図3.必要項目の抽出設定

これを応用して、複数の書類を月次で自動集計し、索引簿にまとめることができます(図4)。動作についてはビデオをご覧ください。

また、設定手順書MS Excelツールを公開していますので、ご活用ください。

今すぐに一人でも始められる電子帳簿保存法への対応と、PDF電子保存の活用

図4.取引書類の一元化と索引簿作成の流れ

4.できるところから始めてみよう!

電子帳簿保存法というキーワードをWebで検索すると、実に多くの情報が返ってきてどれも難しそうに思えますが、上記のポイントを押さえて書類ファイルをOCRし、検索可能なPDFとして電子保存し、整理しておく程度であれば、大規模なシステムを導入する必要が無く、今からでも始められるのではないでしょうか。

また、請求書・注文書・領収書といった取引書類から索引簿を作るということは、書類を整理するだけではなく取引の経緯を時系列で俯瞰できるようになるため、値引き率の調整や取引先の見直しなど、今後の戦略策定にも役に立てられると思います。

一方、2022年1月に電子帳簿保存法が改正されたことにより、2年間の猶予期間があるものの、EメールやWeb上での電子取引で受領した取引書類を印刷して保管しておくことは認められなくなりました。電子帳簿保存法の要件を満たせていない時に税務調査が入ると、青色申告の取り消しが検討されることになります(国税庁_電子帳簿保存法一問一答 問42)。このようなリスクを回避するためにも、この機会に書類の電子保存と一元管理を始めてみてはいかがでしょうか。

索引簿の作成で紹介しましたFineReader PDF 15は無料で試してみることができます。ダウンロードはこちらから可能です。使用後の感想などがありましたら、こちらまでお願いします。

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