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ABBYY、グローバルでデジタルトランスフォーメーション(DX)の実態調査を実施

10月4日, 2021

日本企業のDXの成功を阻む、経営陣と現場マネージメントの認識の差が浮き彫りに

プロセスマイニングでビジネスプロセスの可視化が成功へのヒントに

ドキュメントデータとビジネスプロセスを完全に理解することで真のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するABBYY社(本社:米国ノースカロライナ州、日本法人ABBYYジャパン株式会社、本社:神奈川県横浜市、代表取締役:小原洋)は、英国、米国、フランス、ドイツ、日本の従業員1,000人以上の企業のIT分野の意思決定者を対象に、DXプロジェクトの影響、ビジネスが直面している障壁、コロナ禍において自動化技術が果たす役割についての実態調査を実施し、日本のCxOの67%は自社が十分にデジタル化できると考えている一方で、同じように考えている中間管理職はわずか37%と、深刻な認識の差があることが浮き彫りになりました。

日本とグローバルのDX実態のギャップ(乖離)

本調査によれば、デジタルトランスフォーメーション(DX)の準備が整っていると感じている日本企業は他の国を大きく下回ります(日本42%、グローバル平均64%)。日本企業の半数以上(52%)は自動化技術があるものの、多くの課題と困難を抱えています。このDX実現を阻む指標である「多くの課題と困難を抱えている」との回答者は、調査実施国の中で日本が最も高い結果となりました。日本企業の97%はDXプロジェクトで何らかの問題を経験していますが、新型コロナウイルス感染症と在宅勤務がその原因だと考えている回答者は、約半数(49%)にすぎませんでした。日本企業の3分の1(32%)はDXプロジェクトの方向性を変更する必要がありました。

約3分の1(31%)はDXの期間中に、ROIや他の目標を達成できていません。これも調査実施国の中で日本は最悪の結果です(グローバル平均22%、英国とフランスではわずか13%)。さらに意思決定者の42%はその実施が概念実証(PoC)に一致しなかったと考えており、このような問題の原因として、回答者の3分の1以上(39%)は、組織内に必要なスキルを確保できないことを挙げています。従来のシステムをアップグレードするのが難しいことを挙げた企業も32%に上ります。3分の1はどの技術を使用すべきか(29%)、どこから始めていいか(28%)わからないと回答しています。

最高経営責任者(CxO)と中間管理職(現場マネージャー)間のギャップ

今回の調査では日本でDXが滞っている理由の1つは最高責任者レベルの経営幹部(CxO)と中間管理職(現場マネージャー)の間の溝であることが浮き彫りになりました。CxOがDXの成功を迫るのに対し、中間管理職はその2倍も困難を感じています。日本のCxOの67%は自社が十分にデジタル化できると考えている一方で、同じように考えている中間管理職はわずか37%でした。このため、新しい技術が社内にあるにもかかわらず、CxOの2倍にのぼる中間管理職が、DXを阻む要素が多いと回答しています。これは企業内に深刻な認識の差があり、DXに関する投資や機会が無駄になる傾向があることを示します。

このような認識の差の主な原因は、現在の企業内のビジネスプロセスとタスクが、明確に可視化あるいは分析されていないことにあります。プロセスマイニングを使い始めている日本企業はわずか32%であり、利用する計画がある企業も42%に過ぎません。

プロセスマイニングはDXのボトルネックを見つけ、進捗をモニタリングする手段として普及しつつあります。また、プロセスマイニングツールでビジネスプロセスを可視化すれば、数値やデータに基づいてプロセスとタスクの分析や予測を行う機会が生まれます。たとえばビジネス全体のフロー(実際の状況)を理解する、ビジネススピードのレベリングと効率を確認する、DX に適したツールを特定する、自動化ソリューションの効果を測定することができます。自動化が可能な分野、あるいはボトルネックや遅延の原因を発見するために利用している中間管理職は4分の1(26%)にすぎませんが、CxO の幹部の半数(50%)はその技術を活用しています。一方、ディレクター、バイスプレジデントなどの半数(50%)、中間管理職の44%、上級管理職の41%は、従来どおり従業員のフィードバックにDXの機会やソリューションを見出そうとしています。

日本企業が現在のDXプロジェクトに使用中の技術

社内の階層 AI OCR ノーコード/ローコードプラットフォーム マイニング RPA ビジネスプロセス管理
CxO幹部 8% 33% 50% 42% 42%
ディレクター/バイスプレジデント 22% 11% 28% 39% 39%
上級管理職 30% 21% 39% 44% 38%
中間管理職 22% 17% 26% 33% 29%

図1:日本の回答者 – 「現在のDXプロジェクトにどの技術をすでに使用していますか?」


組織をどのようにデジタル化するかについて、日本の中間管理職はCxO よりかなり悲観的であり、新しい技術を導入してもまだ課題に直面していると感じているのは、CxO が33%なのに対し、中間管理職は57%にのぼります。「経営のトップレベル」と「現場」の認識の差は、従業員の権限の弱さを示すだけでなく、企業のDXの成功を妨げています。調査に回答した日本企業の70%が、50万~500万円の予算がすでに費やされ、50%は2022年も予算が増え続けると予想しているにも関わらず、上層部による技術への投資が然るべき影響を与えていない状況です。

ABBYYジャパンの代表取締役、小原洋は次のように述べています。

「本調査では経営トップが最善の経営努力をしているにもかかわらず、中間管理職や一般スタッフはインテリジェントな自動化技術をすでに導入している、またはいつでも導入できる状況でも、多くの課題と困難を抱えていると感じています。どの技術が生産性を高め、どこに最も影響を与えるかを理解することは非常に重要です。中間管理職や一般スタッフが感じている現実と企業のトップの期待の溝を埋めるのは、プロセスマイニングとそれがもたらす情報だと確信しています」

【調査方法】

本調査は、ABBYYが委託し、Sapio Research社が2021年4、5、6月に実施。英国、米国、フランス、ドイツ、日本の従業員1,000人以上の企業におけるIT分野の意思決定者1,220人を対象とし、DXプロジェクトの影響、ビジネスが直面している障壁、コロナ禍において自動化技術が果たす役割について聞き取り調査しました。

ABBYYについて

1989年創業のABBYYはあらゆる組織に真のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するリーディングカンパニーとして、ドキュメントデータとビジネスプロセスの完全な理解を可能にするインテリジェントなビジネス製品を提供しています。金融、保険、輸送、製造、その他業界の企業が名を連ねるFortune 500の企業の多くを含む5,000以上の企業で使用されており、インテリジェント ドキュメント プロセッシング(IDP)およびプロセス ディスカバリー & マイニングの分野でのリーダーシップにより、顧客体験、効果、収益性、競争上の優位性など、最も重要な点に大きな影響を与えています。ABBYYは世界14カ国にオフィスを構えてグローバルに活動しています。詳細については https://www.abbyy.com/ja/ をご覧ください。

【報道関係者お問い合わせ先】

株式会社井之上パブリックリレーションズ 

Mail: bianca.stupp@abbyy.com

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