AIを活用したインテリジェント・プロセス・オートメーション（IPA）

IDC社は、インテリジェント・プロセス・オートメーションを「プロセスの簡略化・自動化・管理、ならびに分散されたプロセスの調整・接続・制御に使用されるソフトウェアツールおよびプラットフォームの集合体」と定義しています。

ABBYYのインテリジェント・プロセス・オートメーション技術を導入したお客様の成果をまとめると、レポート作成が85%高速化、サイクルタイムが30%短縮、文書処理のスループットが5倍向上、文書処理の自動化が最大で95%可能という数値が出ています。

いいえ、IPAはあくまで人間の仕事を補完するものです。物理的な文書からデータを探し、抽出するような作業は、RPAやインテリジェント文書処理（IDP）によって自動化されますが、これは人間の役割がなくなったということではありません。これらのプロセスを自動化することで、ヒューマンワーカーは、顧客との関係構築、新しい機会獲得のためのデータ分析、創造的な問題解決など、より刺激的で付加価値の高い業務に集中することができるのです。

インテリジェント・プロセス・オートメーションは、次のような高度なツールや技術で構成されています。

• インテリジェント文書処理（IDP） は、 AIベースの文書処理「スキル」を用いて文書に含まれる情報を即座に利用可能にし、ビジネスプロセスにアクセスできるようにします。
• タスクマイニングとプロセスマイニングは、プロセスイベントログデータを利用して、プロセスオペレーションを発見・マッピングします。これにより意思決定者は、効率が悪い箇所を明確に把握することができ、改善の措置を取れるようになります。
• 予測分析は、データ、統計アルゴリズム、機械学習を使用して将来の結果の可能性を判断します。それにより企業はプロセスのパフォーマンスを完璧なものにし、リソースの使用を最適化することができるようになります。

IPAは、以下に挙げるような多岐に及ぶ業界の様々なユースケースに適用できます。

• 銀行および金融サービス： IPAは、顧客本人確認手続き、貿易金融、本人確認 （KYC）プロセスにおけるパフォーマンスや効率を向上します。
• 保険： IPAは、保険金請求処理、保険契約管理、帳票処理における手作業によるミスのリスクを低減します。
• ヘルスケア： IPAは、スケジューリング、請求書作成、患者登録などのプロセスにおいて、患者体験や従業員体験を向上させます。
• 輸送・物流： 荷主やサプライチェーンの組織は、データ入力、注文管理、請求書処理におけるコストのかかる遅延を回避するためにIPAを利用しています。

IPAは2つの面において人工知能を活用しています。

• IPAのインテリジェント文書処理コンポーネントは、AIを使用して、プロセスに流入する文書に対して人間のような判断をくだします。
• IPAのプロセスマイニングツールは、AIを使用してプロセスのインタラクティブなデジタルツインを構築し、効率の悪い箇所やボトルネックを明らかにすることで、企業が最大の効果をもたらす場所に自動化を導入できるようにします。

IPAでは、いくつかの方法を通じてロボティック・プロセス・オートメーションの拡張を図ることができます。

• IPAは、RPA導入のさらなる機会を明らかにすることができます。
• IPAは、どのプロセスがRPAの恩恵を最も受けられるかを事前に理解するのに役立ちます。
• IPAは、インテリジェント文書処理とプロセスマイニングでRPAを補完することにより、企業がより複雑なプロセスを自動化するのに貢献します。
• IPAは、ボットの監視、プロセスの発見、例外処理などのタスクを自動化することで、RPAの効率と精度の向上に貢献します。
• IPAは、複数の部門や拠点にまたがるRPAボットを管理・展開するための集中型プラットフォームを提供します。