
検索拡張生成(RAG)
外部の知識ソースに接続することで、LLMの精度と品質をさらに向上させましょう。
信頼性が高く正確なOCRの力でAIによる自動化をさらに強化
わずか数行のコードで信頼性の高いDocumentAIを自動化ワークフローに統合
プロセス理解
プロセスの最適化
無制限の自動化のために専用開発したAI
事前構築済みのAI抽出モデルを使用して、即座に自動化を開始できます
コントリビューター(スキル開発者)の御紹介、アセットの探索など
産業別
ビジネスプロセス別
技術別
構築
高度なテキスト認識機能をAPI経由でアプリケーションやワークフローに統合できます。
AIに対応した文書データは、RAGでコンテキストに基づいたGenAI出力が可能です。
発展
同業者や経験豊富なOCR、IDP、AIの専門家と交流できます。
ABBYY AIにおいて卓越した専門知識を持つ開発者に贈られる称号です。
リソース情報
インサイト
実装
2024年10月25日
インテリジェント文書処理というとすごく近代的に聞こえるかもしれませんが(実際そうですが)、そのルーツは初期の光学式文字認識(OCR)ソリューション開発に遡ります。現在、インテリジェント文書処理は、人工知能ベースの機能を備えており、定型、準定型、非定型など、あらゆる種類の文書から、あらゆる業界のあらゆるプロセスのあらゆる種類のデータ処理をできます。
このブログでは、インテリジェント文書処理の仕組みや使用例などをご紹介しています。さらに、インテリジェント文書処理に関するよくある質問も取り上げ、インテリジェント文書処理を活用してビジネスを変革する方法を詳しくご説明しています。
インテリジェント文書処理(IDP)は、定型、準定型、非定型の処理に人工知能(AI)と機械学習技術を応用し、テクノロジーが人間のように文書内のコンテンツを読み取り、処理することを可能にします。
IDPはあらゆる文書タイプと形式(構造化、半構造化、非構造化)に対応し、人間のように文書内のコンテンツを処理します。
ここ数年で技術は進化を遂げ、自然言語処理 (NLP) などより高度な機能を取り込むようになりました。これにより、文書処理は単純な文字認識を超えて、変換対象のテキストがある程度の理解が可能になりました。しかしながら、このような進歩があったにも関わらず、IDP は長年、売り上げに直結する顧客、サプライヤー、従業員との関わりとは切り離された、メールルームや BPO の一機能として扱われてきました。
今日、こうした従来のアプローチは、最新の インテリジェント文書処理に取って代わりつつあります。従来のソリューションは主にテキストやフィールドデータの抽出に焦点を当てていましたが、IDPは顧客や従業員のエクスペリエンスの一部としてコンテンツを使用した処理を可能にします。それは、これらのプロセスを再考することから始まります。そして、最新のAIベースの文書処理「スキル」 を活用して、コンテンツをまさに必要とされる時、必要とされる場所で、即座に利用可能で実行可能な状態にすることを目指しています。
ABBYYのローコード/ノーコードIDPソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。
あらゆる業界において、企業は、より少ないスキルリソースで、より多くのことを、より迅速にこなさなければならないというプレッシャーに直面しています。同時に、収益、利益率、定着率を向上させる鍵として、顧客や従業員の体験を改善することに注力する組織も増えています。インテリジェント文書処理(IDP) は、この両面で大きなメリットをもたらすことができます。人がコンテンツを理解し管理する方法に極めて近い形で文書スキルを応用することで、IDPは以下のようなメリットをもたらしてくれます。
関連コンテンツ: 顧客オンボーディングの推進要因とペインポイントに関するインテリジェント・オートメーションの現状レポート
IDPが何であるか、企業にどのようなメリットをもたらすのかを理解する上で、IDPの真相を理解することも同様に重要です。

高速学習メカニズムであるFastMLを搭載することにより、視覚的およびテキスト重視の抽出方法が適用され、データ抽出の精度がさらに向上します。競争優位を維持したい企業は、煩雑で事務的、大量のコンテンツ処理業務をインテリジェント・ドキュメント・プロセシング (IDP) やインテリジェント・オートメーション・ソリューションに移行させることで、従業員の時間をより付加価値の高い業務や顧客体験向上のために解放することができます。
インテリジェント文書処理アプリケーションには、さまざまな使い道があります。それをうまく活用すれば、タイミングを問わず、あらゆる言語、あらゆるフォーマットの文書をインテリジェント・オートメーション・ソリューションに取り入れることができます。IDPの活用方法における例として、保険、顧客オンボーディング/KYC、物流、ローン処理における4つのユースケースをここにご紹介します。
保険業界におけるインテリジェント文書処理 は、様々な方法で利用できます。例えば、「ハンズフリークレーム」のような自動化された意思決定、通常はコールセンターが対応する質問回答におけるスマートなデジタル・セルフサービス・オプションの提供などが挙げられます。こうしたデジタルプロセスの自動化により、従業員は雑務から解放され、お客様の気持ちに寄り添った接客が可能になり、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の向上に集中することができます。
多国籍保険ブローカーであるEcclesia Groupは、ABBYYのインテリジェント文書処理ソリューションを活用することで、通信文書管理をデジタル化して合理化し、顧客体験の向上を実現しました。ABBYY IDPは、スキャンした保険金請求文書からケース番号やナンバープレートなどの重要なデータを抽出し、文書を顧客データベースの関連項目と正確に照合し、その後の処理を行う適切な管理者に文書を自動的に転送します。
住宅ローン申請書は、ローンフォルダ1つあたり100~200ページを占める、容量的に大きな負担を要する書類の典型例です。必要な情報には、運転免許証、出生証明書、住所証明書、公共料金の請求書、銀行の明細書、給与明細書などがあります。インテリジェント文書処理は、各文書内の情報を自動的に取り込み、読み取り、理解し、検証することで、プロセス全体を合理化し、データが正確で真正であることを確認することで、ローンを迅速に承認できます。全プロセスをオンラインとモバイルで管理できるため、顧客体験が向上し、利便性も増します。
さらに優れているのは、IDPの規模拡大能力です。融資申し込みが急増する景気後退期には大きな威力を発揮します。パンデミックの最中、あるスペインの銀行は融資を求める顧客から送られてくる2000万ページという途方もない書類を処理する必要があり、ピーク時には1日に10万ページ以上もの書類を処理していました。この銀行は、ABBYYのインテリジェント文書処理技術のサポートを受けることで、ロックダウン最中にあった6週間以内にすべてのタスクを完了することができました。銀行業界のプロセス自動化をリードするスペイン企業Serimag社は、ABBYYのIDPプラットフォームを活用することで、数百万のローン申請書からテキストを迅速かつ正確に抽出できるようになりました。これによりSerimag社の努力は報われ、全プロセスの75%を自動化することができただけでなく、結果のSLA精度を99%以上にまで引き上げることにも成功しました。
医療機関は、サービス利用の最適化、収益管理の改善、そしてコスト削減という大きなプレッシャーに直面しています。こうした中、プロセスの効率化や、データ主導型プロセスから実用的なビジネスインサイトを引き出すために、インテリジェント・オートメーションを活用する医療機関が増えています。医療分野におけるインテリジェント文書処理(IDP)は、文書に含まれるプロセス上重要なデータへ即座にアクセスできるようにすることで、より賢明かつ迅速な意思決定を支援します。
米国食品医薬品局(FDA)は、医薬品の有害事象を報告するフォームの処理を迅速化するためにABBYYのIDPを導入し、その結果として公衆衛生の保護強化を実現しました。ABBYYのAI搭載IDPプラットフォームは、重要な詳細情報を99%の精度で取得し、適切な関係者へと確実に提供しました。
書類作成にミスがあると、貨物が途中で止まってしまったり、必要な商品の配達が大幅に遅れたりする可能性があります。インテリジェント文書処理は、税関申告書、納品書、船荷証券、運転手のログなど、あらゆる出荷書類を自動的に処理することで、正確性と作業効率をもたらします。
世界的なロジスティクス業であるドイツポストDHLグループは、小包や速達郵便を世界中に配達しており、財務部門を自動化することで顕著な成果を上げています。2022 年の売上高が 1,000 億米ドル(130 兆円以上)に達する企業ですが、以前は毎年数十万件の請求書を処理するために、非常に手作業に依存した会計システムを採用していました。しかし、ABBYY のインテリジェント・ドキュメント・プロセシング (IDP) を導入したことで、124 種類の仕入先から発行される多言語の請求書を自動的に処理できるようになり、エラーの削減と生産性の向上を実現しました。さらに、この IDP 自動化プロジェクトの成功を受けて、DHL グループは効率をなんと 70% も向上させるため、他の部門にも展開しました。/p>
インテリジェント文書処理が登場する以前、増え続ける文書の管理は、手間がかかり、エラーが発生しやすい作業でした。手作業によるデータ入力や紙ベースのプロセスはボトルネックや高額なミスを引き起こしていました。従来型のOCRソリューションは一定の効果をもたらしましたが、情報を真に理解し、有意義なデータを抽出するためのインテリジェンスが不足していました。その結果、企業は大量の非構造化データに悩まされ、スピードが求められるビジネス環境に対応しきれない状況に置かれていました。
高度なOCRとAIの力を組み合わせたIDPは、こうした状況を一変させました。機械学習や自然言語処理(NLP)を取り入れることで、IDPソリューションは単なるデータ抽出にとどまらず、文脈の理解、文書の分類、インテリジェントな判断まで可能になりました。これは、精度と効率性において新たな時代の到来を告げる大きな飛躍です。
では、IDPの次なる展開は何でしょうか。インテリジェント文書処理の未来は、企業やITプロフェッショナルが膨大なデータを扱う方法を大きく変革し、以下のような形で、ビジネスにさらなる価値をもたらすと期待されています
人工知能をめぐる色々な宣伝が出回り、テクノロジーも絶え間なく進化する中で、適切なインテリジェント文書処理ソフトウェアを選択することは、ビジネスプロセスの最適なデジタル変革を図るうえで重要な決断です。その際に考慮すべき重要ポイントは以下の通りです。
戦略的に実装されたインテリジェント文書処理は、顧客体験の重要な助っ人です。そのプロセスが構築されたら、ビジネスの利益面において多大なメリットをもたらしてくれます。まずプロセスマイニングを活用し、導入のための強固な基盤を構築することで、企業は、コスト削減や効率性の向上、法規制への対応、従業員や顧客のエクスペリエンス向上など、IDPのメリットをフルに享受することができます。
ABBYYの市場をリードするテクノロジーは、ローコード/ノーコードのアプローチで提供され、デジタルワークフォース向けの新しいインテリジェント文書処理プラットフォームであるABBYY Vantageの基盤となっています。
当社ABBYYは、長年の経験を通じて、お客様がすぐに活用できる事前学習済みのスキルを渇望していることを学びました。そこで登場したのが、ABBYY Marketplaceです。このオンラインデジタルコミュニティでは、お客様がABBYYのインテリジェント文書処理プラットフォームに付加価値を与えるスキルやその他の技術資産のダウンロードができます。
Vantageでは、ドキュメントスキルモデルをトレーニングして作成できるため、OCRや機械学習の専門家である必要はありません。レビューにおける人間のインタラクションは、オンライン学習を促進し、お客様のモデルを改善することに繋がります。そして、ソリューションの規模を拡大し、多くの事業分野にこの技術を適用するための鍵は、さまざまな文書の種類やバリエーションに適応できるようにすることです。
デジタルトランスフォーメーションを加速し、文書プロセスの自動化を変革する準備はできていますか?
IDPとOCRの違いは、それぞれの機能と文書データの扱い方にあります。
OCRは、紙の文書、スキャン画像、または写真から文字を抽出し、編集可能なデジタルテキストに変換する、長年にわたり利用されてきたデータキャプチャ技術です。この技術は、印刷された文書を電子化し、Webページやデータベースなどで利用できるようにする目的で広く使用されています。しかし、OCRは文字を認識して変換することはできても、その意味や文脈を理解することはできず、ページ上の文字を識別するに過ぎません。
一方、IDPは単なる文字認識にとどまりません。IDPは文字認識のためにOCRを使用するだけでなく、AIや機械学習といった高度な技術を組み込み、文書を読み取り、理解し、分類し、意思決定まで行います。たとえば、IDPは請求書を読み取り、対応する発注書と内容を照合し、金額の正確性を確認したうえで、支払いのために適切な担当者へと送付することができます。
簡単に言えば、ADP(自動文書処理)はIDP(インテリジェント文書処理)ほど高度ではありません。ADPは、文書のアルファベット順での仕分けや情報抽出といった、定型的かつ反復的な文書関連業務を処理することができます。しかし、多くの場合ルールベースのアプローチを採用しており、同一のレイアウトを持つ構造化文書の処理に最適です。そのため、内容やデザインが異なる非構造化文書や半構造化文書では、対応が難しい場合があります。また、過去に処理したコンテンツから学習し、適応することもできません。
これに対して、インテリジェント文書処理はAIや機械学習を活用し、より複雑で多様な文書を処理します。さまざまな文書レイアウトや構造、コンテンツに適応しながら、必要に応じて調整を行います。人間のように「考える」ことを可能にする認知的な機能を備えており、文書内の微妙な違いや不規則性に直面した際にも適切に対応し、ミスから学習することで継続的に精度を向上させます。そのため、IDPは、進化し続ける多様な文書タイプを扱う企業にとって、非構造化データの処理に最適なソリューションです。
IDPとRPAはいずれも業務プロセスの自動化を目的としていますが、注力する領域や機能は異なります。IDPはAIを活用して、非構造化または半構造化された文書からデータを解釈・抽出し、複雑なフォーマットにも適応します。一方、RPAは、データ入力、情報の取得、記録の更新など、業務プロセスにおける定型的かつ反復的な作業を自動化するために設計されています。
簡単に言えば、IDPは文書からのデータ抽出を担い、RPAは反復作業を自動化します。この2つは、業務ワークフローの異なる部分を自動化することで、互いを補完し合う関係にあります。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、反復的で単純な業務プロセスを自動化するための従来型ソフトウェアで、「スイベルチェア型(人が画面を切り替えながら行う作業)」の自動化アプローチとも呼ばれています。RPAは、データ入力、データ取得、情報の検証、文書の更新といった基本的なタスクを実行することができます。
しかしRPAには、扱っている情報を理解し、文脈の中で解釈するための「頭脳」が欠けています。そこで重要な役割を果たすのがIDPです。
インテリジェント文書処理は、RPAにデータを理解・解釈するための認知的な能力を与えます。この組み合わせにより、企業はより良いビジネス上の意思決定に不可欠な情報を引き出すことができます。IDPとRPAを組み合わせることで、データ抽出の精度が向上し、ストレートスルー処理率が改善され、手作業による介入の必要性が減少します。その結果、業務の卓越性を高め、ビジネス成長を促進することが可能になります。
編集部からの注記: このブログは2021年12月8日に掲載され、2023年8月28日に更新されました。記事の中では、インテリジェント文書処理とは何かについての明確な定義や、ChatGPTのようなジェネレーティブAIモデルとの違い、さらに近代的な4つのIPPユースケースが紹介されています。記事の内容はきっと、お客様のデジタルトランスフォーメーションにとって有益なものとなるでしょう。
編集部からの注記: このブログ記事は2021年12月8日に初めて公開され、2024年10月25日に更新されました。記事では、インテリジェント文書処理(IDP)とは何かについての明確な定義に加え、ChatGPTのようなジェネレーティブAIモデルとの違い、さらに近代的な4つのIDPユースケースが紹介されています。本記事の内容は、お客様のデジタルトランスフォーメーションにとって有益なものとなるでしょう。