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タスクマイニングによるデスクトップでのユーザ操作分析もABBYY Timeline(プロセスインテリジェンス)で可能に!

Ryan Raiker

5月26日, 2021

ABBYY Task Mining

企業は、ドキュメント、フォーム、画像、電子メールなどのコンテンツを迅速かつ正確に処理するといったシーンで、ますます大きな課題に直面し続けています。ドキュメント内の特定の情報を検索し、データ入力を実行し、レビューと承認のためにドキュメントをルーティングするためには、膨大な量の手作業が必要になる場合があります。従業員たちは、継続的に、運用やカスタマエクスペリエンス(顧客体験)に影響を与えないように、コンテンツを処理するこれらのエラーが発生しやすいタスクの遂行に専念しています。

現代のデジタル企業で最高のパーソナルアシスタントは、コーヒーを燃料にする人間ではなく、1と0デジタルベースのロボットになります。これらのロボットのニーズを考えるとき、ロボットが遂行するタスクのほとんどは人間のスキルを必要とします。RPAやその他の自動化ツールなどのデジタルテクノロジーによって推進される今日のビジネス環境では、コンテンツの処理に関して、より高いレベルのインテリジェンスが必要です。よりスマートなテクノロジーが必要ですが、自動化ツールでのトレーニングとその活用も簡単でなければなりません。

これらのスキルは、デジタルインテリジェンスで見つけることができます。これらのロボットアシスタントが組織に最大の価値と影響を与える場所を特定したい場合には、従業員がどのように働いているかを理解する必要があります。ビジネスインテリジェンスおよびプロセスマイニングツールでは、KPIに基づき、ビジネスがどのように機能するかについても答えようとしましたが、多くの場合、企業内で人、プロセス、およびコンテンツがどのように接続するかについての高度な分析を提供できていませんでした。 ABBYYは、これを行うためのスキルと理解を提供していきます。

タスクマイニングとは? - タスク分析の将来

タスクマイニングを使用すると、企業はユーザの操作(タスク)を収集して分析することにより、タスクの遂行方法を理解できます。このように詳細を理解することは、企業がプロセスを自動化および改善するのに役立ちます。タスクマイニングはプロセスマイニングと類似しており、並行して考えられますが、ログファイルやビジネスメトリックではなく、ユーザインタラクション(ユーザとPCとの間での相互やり取り)データを使用してプロセスを分析します。

タスクマイニングは、コンピュータ上でのユーザの操作をリアルタイムで記録するため、ユーザのプライバシーを侵害する可能性もあります。したがって、これらのツールは、データのプライバシーに対処し、ユーザの個人データを保護する必要もあります。このテクノロジーが世間に浸透するにつれ、これはタスクマイニングベンダにとっての主要な課題の1つになるでしょう。

システムの記録からデータを抽出できるようにするだけでは不十分です。人、プロセス、データが複雑に絡み合う中、真のビジネス変革を可能にするビジネスオペレーションの全方位ビューを提供するために、ユーザの操作とプロセス全体の実行に対するそれらの影響をマイニングする必要があります。

人間中心の非常に様々で複雑なケースベースのプロセスに関連するイベントログとデスクトップアクティビティから得られる情報を組み合わせ、ABBYYタスクマイニング はプロセスの動作を検出、分析、監視、および予測します。また、ABBYYタスクマイニングは、デスクトップ上でのユーザの操作データを分析し、システムイベントデータからマイニングされたプロセスの詳細とシームレスにリンクします。これにより、プロセスを遅延させている繰り返し起こる非効率なタスクを見つけ出し、適切な場所にリソースを割り当て、解決できます。

なぜそれが重要なのでしょうか?

将来的には、私たちは、より流動的な方法で仕事について考えさせられることになります。複数の人、機械、その相互作用にわたって仕事が行われる方法を再考する必

要が出てきます。仕事をより細かくタスクに分割して考えることは、人間と機械のハイブリッドな労働に移行し、持続していくためにも、必要となります

どのようにタスクマイニングは動くのでしょうか?

タスクマイニングがどのように機能するかを段階的に説明します:

タスクの記録

ユーザインタラクションに関するデータを収集するには、ユーザインタラクションデータの記録が必要です。この目的のために、エージェント(代理でログを取るための仕掛け)が各従業員のデスクトップに設定されます。このエージェントは、スクリーンショットを撮り、一定間隔で情報をキャプチャすることにより、各ユーザの操作をデスクトップに保存および収集し、ソフトウェアに送り返します。

タスク分析

複数のタスク操作をサンプリングし、タスク実行の変化を検出することにより、ユーザの操作パターンを自動的に識別します。自動化できそうなタスクシーケンスを明らかにする使いやすいユーザインターフェイス(ポイントアンドクリック)を使って、デスクトップアクティビティからのユーザインタラクションとABBYY Timeline操作イベントログを組み合わせます。

コンテキスト認識 (OCR)

高度なインテリジェントAI OCRテクノロジーを使い、すべてのユーザインタラクションデータが記録プロセス中に検出され、ユーザのさまざまなタスクに関連する構造化されたコンテキスト情報に変換されます。

高度なカスタムの記録

より詳細な記録が、タスク分析を、より詳細に行うことを可能にします。詳細にカスタマイズされた記録により、エージェントはタスクの実行中に発生するすべてを追跡でき、各タスクがどのように実行されたかに関する情報を確認できます。また、実行されたステップ、費やされた時間、および失われた時間の観点から、リソースごとに異なる方法でアプローチして、同じタスク(ルーティンとなっている作業)を見出すことが可能です。

以下のビデオを見て、タスクマイニング機能の動作を確認することが可能です。

ABBYY Task Mining Demo(英語版)

タスクマイニングはプロセスマイニングとどう違うのでしょうか?

タスクマイニング技術は、プロセスマイニングの機能を拡張します。どちらもプロセス効率の向上、改善を目的としています。

プロセスマイニングは、プロセスの処理方法を決定するためのプロセスステップの順序の確認、プロセスパフォーマンスの測定(メトリックス)に重きを置いています。ログファイルを使ってプロセスマイニングすることで、企業はプロセス実行の現在のステージを確認、つまりプロセスを可視化したり、プロセス改善や自動化可能なエリアの発見のために重要業績評価指標(KPI)などのビジネスデータを使用してボトルネックを特定したりすることが可能です。

その上で、タスクマイニングは、個人記録とスナップショットを使って、プロセス中のある特定のステップを企業がどのように遂行しているかを調べます。タスクマイニングでは、従業員があるタスクを実行するときに実際に行うことを細かくあぶりだし、ユーザインタラクション(操作)を通じて共通のアクションを特定するのに役立ちます。このデータは、プロセスを改善、例えばRPAを使ってタスクを自動化するために使用されます。

タスクマイニングは、より正確に、細かくタスクを遂行する操作方法を可視化し、プロセスマイニングは、タスクマイニングでのユーザインタラクションデータを活用し、企業がプロセスをどの程度正確に実行しているかを理解することができます。

タスクマイニングの利点

プロセスをミクロに見ていくタスクマイニングとマクロに見ていくプロセスマイニングは、形式は異なります。しかし、タスクマイニングも、プロセスマイニングも、プロセスの詳細なビューをもたらすという点では一致しており、これが利点です。これにより、企業はプロセス内のタスクの実行方法を可視化し、従業員がタスクを実行する方法を改善し、可能な場合はこれらのタスク処理を自動化することを目的としています。

生産性

タスクマイニングは、ビジネスデータだけでは取得できない独自の生産性データを提供します。生産性分析には以下の2つのタイプがあります。

  • リソースの生産性: 各ユーザの生産性と、各ユーザがさまざまなアプリケーションやWebサイトに費やした時間を確認するのに役立ちます。また、どのアプリケーションやWebサイトが頻繁に使用されているかを発見し、生産性の高いユーザを特定するのにも役立ちます。
  • タスクの生産性: プロセス内の各タスクの詳細を調べて、最も生産性の高いユーザが作業しているタスクシーケンスや並行して行われているタスクシーケンスを判別するのに役立ちます。

改善評価

  • 自動化の機会を明らかにする: パフォーマンス、生産性、頻度に関する洞察を使用して、自動化に最も適している場面を明らかにします。つまり、RPAを使って自動化をおこなうのに適したタスク、ユーザ操作を明らかにします。また、共通のプロセスや非生産的で反復的なタスクの自動化にも役立ちます。
  • プロセス違反の警告: プロトコル分析により、タスクとプロセスステップが発生する順序、特定のイベントにかかる時間の制限、ステップが欠落してしまったり繰り返されてしまったりするタイミングなど、要求されるプロセス実行ルールに違反している領域が明らかになります。
  • プロセスギャップの削減: 根本原因に対して対処することにより、最も重要なプロセスギャップを狭める戦略の開発に役立ちます。
  • 発見、コンプライアンス、パフォーマンス: 次のようなまったく新しいレベルの洞察を提供するためのビジネスプロセス分析を実行する際、タスクマイニング(ユーザインタラクションデータ)とプロセスマイニング(ビジネスデータ)を組み合わせるのに役立ちます。
    • プロセスの発見
    • 適合性チェック
    • 根本原因の解析
    • 職務の分担、分離
    • パフォーマンス分析(時間とコスト)

タスクマイニングは、トランザクションシステムの外部での手作業モデルの非効率性を発見し、スタッフの生産性を測定および最適化できるため、現代のすべての企業組織に大きな利点をもたらします。これはプロセスマイニングを補完するツールであり、その競合となるものではありません。

人、プロセス、データの交じりあう部分を理解することは、真のビジネス変革の出発点です。ユーザタスクデータ、システムログ、およびビジネスデータ間のドットをつなぐこ

とにより、組織はプロセスの摩擦を減らし、顧客サービスを改善し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速することができます。

タスクマイニングを使用したABBYYプロセスインテリジェンスの詳細については、こちらをご覧ください。

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