すべてのブログ記事

ABBYYとIBM watsonx.ai OrchestrateがKYC自動化を大規模に変革

Dr. Marlene Wolfgruber

2025年9月3日

本日、ABBYYとIBMは正確性、監査可能性、業務の俊敏性を求める金融サービスおよび保険機関向けに、コンプライアンスを第一に考えたソリューションを提供するため、パートナーシップを拡大します。 ABBYYの先進的なDocument AIとProcess AIをIBM watsonx.ai OrchestrateのAIエージェントと組み合わせることで、文書の取り込みからコンプライアンスの監視に至るまでのKnow Your Customer(KYC)プロセス全体を透明性が高く、拡張性があり、インテリジェントなワークフローへと変革可能となります。

これは単なるタスクの自動化ではありません。 リアルタイムのリスク分析を組み込んだ、ダイナミックなエンドツーエンドのオーケストレーションなのです。

ソリューションの概要と統合の価値提案

手作業によるKYCは時間がかかり、ミスが発生しやすく、コストがかかります。 従来の自動化ツールは、ドキュメント間の検証、監査対応準備、リアルタイムのプロセス制御といった点で不十分となりがちです。 コンプライアンス担当チームは、依然として分断されたシステム、不明瞭なリスクシグナル、そして高まる規制圧力に苦慮しています。

それを変えるのが「ABBYY + IBM watsonx.ai Orchestrate」です。 この統合により、金融機関はオンボーディングを効率化し、不正リスクを低減し、コンプライアンスポリシーを自動的に適用できます。これはプロセスと文書の両方を理解するAIを駆使して実現されます。

ABBYY + IBMの統合による3つの差別化ポイント

  1. ABBYY Document AI: 光熱費の請求書、銀行明細書、その他のオンボーディング書類から定型データを抽出します。スキャン品質が低かったり、国ごとに形式が異なっていたりしていても対応可能です。
  2. IBM watsonx.ai Orchestrate: KYCワークフロー全体でデータをクリーンに処理し、入力内容を検証し、フォローアップを実行し、さらに社内のコンプライアンスプラットフォームと直接統合されます。
  3. ABBYY Process Intelligence: 各ケースを監視し、運用データを取得するとともに、例外をリアルタイムで特定します。 書類の不備、コンプライアンスギャップ、不審なパターンなどの問題が発生した場合、システムは適切なチームにアラートを発し、是正措置を取るエージェントを起動します。.

すべてのアクティビティは記録されます。 すべてのアクションは説明可能です。 すべてのステップは監査可能です。

統合の仕組み

ABBYY+IBM watsonx.ai Orchestrateの統合により、金融機関は以下のことが可能になります。

  • ABBYY Document AIを使用してのオンボーディング書類の大規模な取り込みと定型化
  • Orchestrateエージェントによるインテリジェントなワークフローステップの実行(リスクチェック、再提出依頼、エスカレーションなど)
  • ABBYY Process AIでプロセスの適合性を継続的に監視
  • ワークフローの再開、ルーティング、または修復により、コンプライアンスギャップに自動的に対応
  • すべてのKYC取引において完全なトレーサビリティと監査対応性を確保

ABBYY + IBM、重要な価値提案を実現

自動化を超えて、オーケストレーテッド・インテリジェンスへ:  データの取得から意思決定の実行に至るまで、あらゆるステップを調整・監視し、見落としが生じないようにします。

リアルタイムのリスク可視化 : ABBYY Process AIは、ボトルネックやコンプライアンスの逸脱、例外を事前に検出し、リスクに発展する前に問題解決を促します。

コンプライアンスをビルトイン: すべてのKYCステップが記録・測定され、内部および外部の規制要件に適合しているため、常に監査に対応できる状態が保たれます。

エンタープライズグレードのスケーラビリティ: オンボーディングの件数の増加に応じてシステムも拡張し、管理体制やパフォーマンスを損なうことがありません。

ABBYY + IBMのビジネスメリット

  • 手動のステップを減らし、オンボーディングを迅速化
  • 自動制御とアラートによるコンプライアンスリスクの低減
  • 監査態勢とガバナンスの透明性の向上
  • インテリジェントなオーケストレーションによる運用コストの削減
  • サービス提供までの時間を短縮し、顧客満足度を向上

実例: 金融サービスと保険業のユースケース

グローバルに事業を展開している保険会社が新規契約者をオンボーディングする際には、本人確認書類の取得、情報の検証、そして複数の法域にわたるAML/KYCコンプライアンスの確保が求められます。

ABBYY + IBMの手法:

  • 書類は受付時に取り込まれ、定型化されます。
  • Orchestratorエージェントが詳細を検証し、リスクプロファイリングなどの次のステップを開始します。
  • ABBYY Process AIが、ワークフローの逸脱や遅延を監視します。
  • 書類が不足している場合やリスクの警告が出た場合、システムは顧客に通知し、問題が解決するとワークフローを再開します。
  • すべてのアクションは追跡可能で、内部ポリシー、規制監査、外部報告をサポートします。

その結果は? 継続的なコンプライアンスによる、より安全で迅速なオンボーディングの実現です。

KYC自動化の新基準

ABBYYとIBMは協力して、信頼性、透明性、敏捷性が不可欠な規制業界向けに構築された、KYC自動化の新たなゴールドスタンダードを提供します。 書類の初回受付から継続的なリスク監視に至るまで、この統合によりコンプライアンス担当チームは複雑さを増やすことなく、受動的対応から能動的対応へとシフトすることができます。

プロセスの摩擦からプロセスインテリジェンスへ ― KYCがさらにスマートになりました。

実際の統合をご覧ください。

カスタムデモのリクエスト
Dr. Marlene Wolfgruber

Dr. Marlene Wolfgruber

Dr. Marlene WolfgruberはABBYYのAI担当プロダクトマーケティングリーダーであり、プロダクトマネジメントおよびプロダクトマーケティングにおいて10年以上のリーダーシップ経験を有しています。 インテリジェントオートメーション業界の幅広い分野に精通しており、AIと言語技術の専門家として定期的に知見を発信しています。 以前の職務において、Dr. WolfgruberはAIを活用した支出管理のイノベーションを主導し、企業が生成AIによって自律型アシスタントを構築するための支援を行っていました。 Dr. Wolfgruberはミュンヘンのルートヴィヒ・マクシミリアン大学で計算言語学の博士号を取得しました。趣味は、読書、エクササイズ、料理で、2人の子供と過ごす時間を大切にしています。

「ぜひ LinkedInでマレーネさんと繋がってみてください!」

Marleneがホストを務める「AI Pulse Podcast」をぜひチェックしてください!

YouTubeとSpotifyで配信中のこのシリーズでは、人工知能やインテリジェントオートメーションに関する幅広いトピックを取り上げています。ビジネスやテクノロジーのリーダーの方々に特におすすめです。

ぜひお楽しみください! https://linktr.ee/AIPulsePodcast