Fender(フェンダー)は請求支払プロセスの自動化により、どのように従業員の生産性をあげたのでしょう?
12月23日, 2020
ABBYYは、AIベースのツールを使い、様々なフォーマット、言語のPDFから広範囲にわたるフィールドを抽出し、データを取得することで、Fenderの請求から支払までの勘定プロセス全体を自動化することに成功しました。これにより、従業員の生産性が向上し、請求処理時間が81%短縮されました。
製造業の場合、こういったタスクは非常に単調であり、業界の従業員はすぐに退屈することを、この記事をお読みの方は皆、ご存知でしょう。 証拠として、2018 National Safety Council (NSC)の調査レポートは、米国の労働力の3分の2がこういった単調で退屈な仕事に苦しんでいることを明らかにしています。 言い換えれば、1億6000万人の米国の労働者のうち1億700万人近くがこういった仕事の単調さに精神的な影響を受けています。
また、この同じ調査を通じて、心理状態が安全面に影響を与えることは言うまでもなく、そういった労働者は、より多くの間違いを犯し、生産性が低下する傾向があることがわかりました。 残念ながら、これらの精神的に疲れてしまっている労働者は、輸送、建設、製造、公益事業などの安全性が重視される産業に多く見られます。
このような状況に対する企業の対応は異なります。 会社が打撃を受けるまで脅威を無視することを選択する企業もあれば、 会社を存続させるだけでなく、従業員を幸せにするソリューションをすばやく見つけることを進んで行う企業もあります。
Fenderは後者の1つです。 この記事では、ABBYYの技術を活用することで、Fenderがワークロードを自動化し、従業員の生産性を向上させた方法を共有します。
Fenderについて
- Fenderは、弦楽器、エレキギター、ストラトキャスター、ギターアンプ、ペダルを製造および供給している会社です。 同社は1946年にLeo Fenderによって設立されました。
- Fenderは、カリフォルニア州ロサンゼルスに本社を置いています。 Fenderの売上高は9億2500万ドルで、従業員数は2,790人です。
- Fenderと同様の業種は、ヤマハ、ギブソン、テイラーです。
- 2019年8月の時点で、FenderのファンはFacebookで340万人、Twitterで60万人を超えています。
Fender内の問題点
どのビジネスでも、請求から支払いの支払勘定プロセスにおいて、注意を払うことは不可欠です。このプロセスで問題が発生した場合、ビジネス全体がリスクにさらされます。 請求書からはじまる支払勘定プロセスは、企業のキャッシュフローに大きな影響を及ぼします。 このプロセスを合理化することは、サプライヤーとの良好な関係を維持するのにも役立ち、さらには、会社にとって有利になる可能性があります。
Fenderでは、スタッフは以前、請求書を含むベンダーの電子メールを手動でフォルダーに移動してからSAPに入力していました。そのため、このプロセスで、非常に多くの誤りが発生していました。
こういった手動プロセスにおいて、制限となってしまうことを以下に3つ示します。
手動でのデータエントリー
一般的な請求支払プロセスの手順には、必ず、取引先の請求書の詳細を入力し、承認してから支払いを行うことが含まれます。 各ステップで手動のデータ入力が発生すると、誤入力のリスクが高まり、計算や支払いが不正確になり、会社の財務に悪影響を与える可能性があります。 誤入力を見つけて修正するには、それに気がつくまで、スプレッドシートを手動でスキャンする必要があります。
取引先の請求書管理
取引先からの発注書と受信した請求書が多くある場合、請求書とその期日を見失うことがよくあります。 請求書を紛失した場合は、取引先に相談して再送を依頼できます。 ただし、これは請求書が紛失していることがわかった場合にのみ機能します。 そして、この場合、取引先との関係が悪くなる可能性があり、ビジネスにおけるリスクとなります。
効率が悪く時間がかかる処理
請求支払の手動処理には時間がかかる可能性があり、社内プロセスが効率的でない場合、結果は望ましくない可能性があります。 たとえば、中規模程度の会社では、支払いが処理される前に取引先の請求書の承認を必要とする2人以上の担当者がいる場合があります。 請求書を直接または電子メールで送信する必要がある場合、これらの承認には時間がかかります。 請求書が支払われるまでに、早期支払い割引を逃したり、遅延支払いペナルティを課せられたりする可能性があります。
Fenderでは、2,000を超える取引先がさまざまなレイアウトと言語で請求書を送信してきます。 他のタスクに集中しようとしているときに、このような大量のファイルを手動で管理することに混乱していました。 そしてABBYYは高度な技術ソリューションを活用することで、Fenderの助けになれることを提案しました。
どのようにABBYYはこの問題に対処したのでしょうか
デジタルインテリジェンス企業であるABBYYは、組織や企業に対して、真のビジネス変革を可能にする、入手が困難ではあるが価値あるビジネスに関する情報へのアクセスを可能にします。ABBYYのインテリジェントな文書処理プラットフォームは、今日の複雑なデジタル企業のニーズを満たすように設計されています。
Fenderが懸念に対処するのをサポートするために、ABBYYのエキスパート達は、以下のような3点に気をつけ、会社の目標を達成するために役立つソリューションを実装しました。:
- 請求書処理から支払いのプロセスをより柔軟に、より安価にそしてより負荷を軽減するように
- 従業員を、より重要な他のタスクに再割り当てすることにより、会社をより効率的に
- 関係するすべての関係者(顧客、従業員、経営幹部)が満足していることを確認
ABBYYコンテンツインテリジェンスソリューションは、最高のNLP、機械学習、高度な認識機能を1つの企業全体のプラットフォームにまとめて、あらゆる種類のドキュメントを処理します。
ABBYYプラットフォームは、Fenderの請求書処理プロセス全体を自動化します。 PDFを抽出し、さまざまなフォーマットと言語を含む中でデータをキャプチャし、さまざまな文書からありとあらゆるフィールドを抽出します。
仕分けからデータをキャプチャ、抽出、分析した後、データは検証段階へと移行します。検証段階では、文書の80%程度が人によるチェックをすることなく通過します。これには、手動で処理していたときの人間でも理解するのが非常に難しい請求書からのデータ抽出を含みます。
その後、文書は UiPath ロボット へ渡され、フローのプロセスとしては、SAPシステムへシームレスに繋がれます。
「私たちは取引先の請求書処理にかかる時間を短縮できるだけでなく、支払いフローを改善できるソリューションを探していました。 幸い、ABBYYのユニークなプラットフォームには、請求書から適切なデータを学習して選択する驚くべき機能があります。 ABBYY技術による効率性により、私たちのチームは、ビジネスのニーズの変化に応じ、請求書支払いのプロセスを現状以上に保ちつつ、他のプロジェクトに取り組むことできました。」
Fender Musical Instruments Corporation財務マネージャー、Michele Sease様
最終的な結果として得られたもの
ABBYY技術を活用して、Fenderは請求書を伴う支払プロセスを自動化し、従業員の生産性を高め、プロセス内の問い合わせ対応等に費やす時間を大きく削減することができました。
- スタッフの時間は、運用を最適化する活動、顧客体験を向上させる活動にリダイレクトされるようになりました。
- 効率と精度が大幅に向上し、取引先の請求書処理時間が短縮されました。
- 財源と人的資源が効率的に使用されるようになりました。