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2025年に経費管理の自動化がこれまで以上に重要になる理由

Bruce Orcutt

2024年8月13日

手作業での経費の提出は、多くの社員にとって気が重い作業です。出張後、社員はデジタル形式の領収書を探すために多くのメールを確認し、紙の領収書をスマートフォンで撮影し、それらをスプレッドシートや経費精算ポータルにアップロードしなければならないことがあります。さらに、各項目にラベルを付け、日付を入力し、分るしする作業を求められることさえあります。数字を打ち間違えると、経理部との面倒なやり取りが発生し、精算が遅れることも少なくありません。

経費管理を自動化すれば、よりスマートでスピーディーな対応が可能となります。社員が領収書をスキャンして提出するだけで、あとはテクノロジーが必要な項目を抽出し、データを照合し、経理部門で処理されるよう振り分けてくれます。これにより、経費精算がより迅速かつ正確に行われ、払い戻しも早くなります。

現在、業務プロセスの自動化ソリューションはかつてないほど戦略的でインテリジェントに進化しています。そして、AIを活用した経費管理の自動化は、経理部門にとって効率性と従業員満足度を同時に高められる即効性のある成果をもたらします。

とはいえ、自動化を真に効果的なものにするには、現実のビジネスニーズに即した設計が欠かせません。さまざまな種類の書類に対応し、異なる言語やフォーマットに柔軟に適応しながら、継続的に進化できるプラットフォームであることが重要です。本記事では、経費管理の自動化とは何か、また、そのソリューションがもたらすメリット、そして導入を検討する際に注目すべきポイントについて解説します。

経費管理の自動化を理解する

 

Expense management automation process

 

経費管理の自動化は、テクノロジーを用いて社員や取引先からの経費領収書を取り込み、処理し、その状況を一元的に追跡します。従来のように手作業で仕分けやデータ入力を行う代わりに、経費管理の自動化では インテリジェント文書処理(IDP)技術を活用して、領収書や関連書類から重要な情報を迅速かつ自動で抽出します。

経費管理のあらゆる過程の自動化が可能です。例えば、ホテルのインボイスやタクシーの領収書を受け取った段階から処理に進み、自動化を始めることができます。スキャン画像、PDF、モバイルで撮影した写真など、どの形式で提出された場合でも、書類は自動的に種類ごとに分類され、適切な業務ルールが適用されます。自動化された経費管理は、取引先名や日付、金額、税額、明細項目といった重要な情報を抽出し、自社のポリシーに沿っているかどうかを自動的に確認します。情報に不足や不確実な点がある場合には、人による確認プロセス(ヒューマン・イン・ザ・ループ)が自動的に起動します。こうしたやり取りを重ねることでシステムは学習し、自動化率が向上して、手作業での対応はさらに減っていきます。

スピードと精度を兼ね備えた経費管理の自動化は、払い戻しサイクルを短縮し、ポリシー遵守を強化します。特に、ERPシステムや会計プラットフォームと統合することで、その効果は一層高まります。企業は自社の支出をより明確に把握できるようになり、より賢明な財務判断につなげることができます。

手動 VS 自動: 経費管理はどのように進化したか

現在では、多くの経費管理自動化ソリューションが存在するにもかかわらず、いまだに財務チームのほとんどが経費管理業務の大部分を手作業で行っています。多くの手作業プロセスが発生することで、不要な作業が増え、ミスの原因となり、社員の不満を招いてしまいます。

しかし、自動化が導入されれば、プロセス全体を一新できます。ここでは、手作業による経費管理と、自動化された経費管理を簡単に比較してみましょう。

手作業による経費管理

手作業による経費管理は、社員や経理部が経費データを収集・整理・処理する作業に大きく依存せざるを得ません。多くの場合、社員が領収書などの様々な紙の書類、メール、その他のデジタル領収書をまとめ、それらを手作業でスプレッドシートや会計システムに入力しています。人為的なミスで手直しが必要になることも多く、会社として支出の全体像を把握しにくくなります。

自動経費管理

経費管理を自動化すると、AIを活用したテクノロジーが領収書や請求書から経費データをリアルタイムで取り込み、分類・検証します。領収書から必要な情報が自動で取り出され、社内ポリシーに沿っているかどうかがチェックされます。自動的に書類の仕分け・振り分けが行われ、データは人の手をほとんど介さずにERPや会計システムへと直接流れ込みます。

Manual accounting vs automated expense management

経費管理の自動化で企業はどうコストを下げられるのか

企業が成長・拡大すれば、それに合わせて経費の管理方法も進化させる必要があります。経費管理の自動化は、企業にとって経費を追跡・承認・管理するための「よりスマートな基盤」となります。その具体的なポイントを見ていきましょう。

精度の向上

人間が同じ作業を繰り返すと、どうしてもミスが起こりやすくなります。手作業によるデータ入力では、なんらかのコストが発生してしまうタイプミスや記入漏れがよく発生します。自動化は重要なデータを正確に抽出し、業務ルールに照らして二重に確認することで、エラーの発生率を大幅に減らします。

生産性の向上

自動化により、経費の収集・処理・承認にかかる時間が短縮され、経理チームはより少ない労力で大量の領収書を処理できるようになります。これにより社員は、より戦略的に重要な業務に時間とエネルギーを充てられるようになり、企業は人員を増やすことなく事業を拡大できます。

コンプライアンスの強化

自動化では、ポリシーチェックや業務ルールがワークフローに直接組み込まれているため、規程違反や監査上の問題が発生するリスクを大幅に軽減できます。一部の自動化ソリューションは、ベンダーデータベースとの照合や税計算にも対応しており、大規模な運用においても法規制や社内規程を遵守します。

従業員体験の向上

自動化が実施されれば、社員は外出先でも領収書を取り込み、あらゆる形式で提出することができます。やり取りは最小限に抑えられ、迅速な処理や払い戻しが実現します。

迅速で柔軟な経費処理

新しい取引先の登場やコンプライアンスルールの更新などにより、経費管理のニーズは急速に変化することがあります。優れた経費管理自動化ソリューションは、多様な書類形式に対応でき、複数の言語をサポートし、さらにユーザーからの入力を学習して継続的に精度を高めていくことが可能です。

可視性と統制

経費データがERPや会計システムに自動的に統合されることで、企業は支出パターンをリアルタイムで把握でき、より正確な予測に基づいた賢明な予算策定が可能になります。

よりスマートかつスピーディーに: AIが経費管理にもたらすもの

AIは、領収書の取り込みから払い戻しまで、経費管理プロセスのあらゆる段階を自動化する中心的な役割を担っています。

  • スマートな文書分類:AIは受け取った経費関連書類を自動的に分類し、適切な処理フローに振り分けます。これにより、各領収書には正しい業務ルールが適用されます。
  • 自動のデータキャプチャ: AIを搭載した光学式文字認識(OCR)は、領収書や請求書の形式に関係なく、瞬時に読み取り、重要な情報を抽出します。自動トリミング、傾き補正、回転といった画像の前処理技術により、認識精度がさらに高まります。
  • 多言語対応:AIモデルには、様々な国や言語の領収書や請求書の処理を学習させられるため、グローバル規模での拡張が可能となります。
  • 承認の迅速化: AI技術は、あらかじめ設定された業務ルールを適用し、抽出したデータを社内ポリシーやベンダーデータベース、税規則といった外部ソースと照合して検証します。これにより、大半の領収書はストレートスルー処理が可能となり、例外的なケースのみが人による確認に回されます。
  • ポリシーの遵守: AI技術は、ポリシー違反の経費や不足している情報を自動的に検出し、その後でそれを経理チームに届けます。これにより、不正やコンプライアンス違反のリスクが軽減され、監査の遅延も防ぐことができます。
  • ワークフローの統合: AIで処理されたデータは業務システムに直接連携され、払い戻しの迅速化とリアルタイムでの可視化を実現します。
  • 継続的な学習:AIは、人が加えるフィードバックを取り込みながら学習し、経費管理システムを継続的に改善していきます。ユーザーがデータを修正または確認すると、AIはその内容を学習し、将来の処理における精度と自動化率を高めていきます。

経費管理の自動化にABBYYを選ぶ理由

ABBYY Document AIは、すぐに使える機能とAIによる柔軟性を兼ね備え、企業の成長に合わせて進化・拡張できるオールインワンのソリューションです。ABBYYのインテリジェント文書処理 (IDP) プラットフォームでは、次のことが可能です。

  • スケーラブルなプラットフォームで、経費と支払いのプロセスを一元管理。
  • 領収書、請求書、発注書(PO)を単一のワークフローで処理。
  • 事前の設定や手入力なしで、レシートから即座にデータを抽出。
  • ユーザーの入力により継続的に向上する高いデータ精度を実現。
  • 組織に合わせたワークフローのカスタマイズや標準設定の活用。
  • 効率的な予算管理やトレンド分析、迅速な社員への払い戻し。
  • 会社の支出をリアルタイムで可視化・洞察し、キャッシュフローをコントロール。

これらすべてを、ほとんど手をかけずに実現可能です。社員は領収書をスキャンするか写真に撮って提出するだけです。その後は、組織のワークフローに合わせてカスタマイズされたABBYY IDPが処理を引き継ぎます。写真やスキャンを最適な品質に前処理し、領収書の各項目を検出、合計金額を確認、ベンダーデータベースを照合し、税額を計算します。システムはより多くの領収書を処理するにつれて賢くなり、取引先を認識し、経費カテゴリを自動的に割り当てる精度も向上していきます。

ABBYYの経費管理自動化がどのように機能し、どれほどスムーズに導入できるかを実際にご覧いただけるよう、4分間のウォークスルー動画をご用意いたしました。ABBYYでは貴社に適した経費管理の自動化をご提案いたします。詳細をご希望の際は、お気軽に弊社の専門家までお問い合わせください。

動画を見る
Bruce Orcutt

ブルース・オーカット(Bruce Orcutt) 最高マーケティング責任者

ブルース・オーカットは、デジタル・トランスフォーメーションとインテリジェント・オートメーションの市場拡大と認知度向上に注力する、マーケティングおよび経営部門の情熱的な幹部役員です。 オーカットはABBYYの最高マーケティング責任者として、グローバル製品戦略開発に取り組んできました。コミュニケーションリーダーおよびソートリーダーとしての役割を担うオーカットは、ABBYYインテリジェントオートメーションポートフォリオ全体の市場参入、ローンチ、価格設定、競合分析、アナリストとの関係構築、勝敗分析、セールスイネーブルメントなどのタスクを牽引しています。彼の目標は、グローバル企業が最新の人工知能(AI)技術に託された期待とその現実を把握し、目的に応じてAIを活用し、変革の目標を達成できるようにすることです。

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