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請求書処理の自動化: 請求書処理を一貫して効率化する方法

Maxime Vermeir

April 25, 2025

かつての請求書処理は、手作業での仕分け、確認、数値の入力に何時間もかかり、その後でさらに部門間で承認を得る必要がありました。現在においては、このような手作業はオートメーションが担うことが多くなっています。請求書のオートメーションは、主要なデータをキャプチャ、取得、検証し、その情報をビジネスシステムに直接送信することで、ストレート・スルー・プロセッシングを可能にします。

このガイドでは、請求書処理の自動化の仕組み、その主な利点、そして貴社に最適な処理ソリューションの選定方法について解説します。

自動請求書処理とは?

自動化された請求書処理とは、ソフトウェアを使用して請求書データを取り込み、抽出し、検証し、ビジネスプロセスに統合することです。

 

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自動化がなければ、企業は通常、データの手入力、詳細の確認、承認のルーティング、支払いの処理、将来の参照のための記録整理などを、従業員が手作業で行う必要があります。これらは多くの時間を要し、ミスも起こりやすい作業です。自動化は、次のようなタスクを実行することで、処理のスピードを大幅に向上させます。

  • データの分析と抽出
  • データの確認と検証
  • 例外処理
  • ワークフロー管理
  • 承認と支払い

自動化された請求書処理で使用される主要な技術のひとつが光学式文字認識(OCR)です。OCRは、手作業によるデータ入力を行うことなく、請求書からベンダー名、請求書番号、日付、明細項目、合計金額などの重要な情報を抽出します。

自動請求書処理は、機械学習(ML)や自然言語処理(NLP)といったAI技術と組み合わせることでさらに高度にスマートになり、紙、メール、API、モバイル、スキャンなど、どの経路で届いたものであっても、定型化されていないPDFや手書きの領収書を効率的に処理できるようになります。機械学習は、システムがパターンを識別し、過去の修正から学習することによって継続的に精度を向上させることを可能にし、自然言語処理は、手動で介入することなく、文脈を理解し、新しいフォーマットに適応することを支援します。

請求書自動化の仕組み

自動化された請求書処理の具体的なワークフローは、導入するソリューションによって異なります。例えば、AIを活用したインテリジェント文書処理(IDP)ソリューションは、基本的なルールベースの自動化を超えて、より複雑なタスクを処理し、継続的に精度を向上させることができます。これらのソリューションは、RPA、BPM、ERPといった企業の情報システムにデータを提供し、請求書のストレート・スルー・プロセッシング(人手を介さぬ処理)を促進します。請求書がどのような経路(紙、電子メール、API、MFP/ローカル・スキャン、モバイル・デバイス、ウェブ・ベース・スキャン)で到着しても、すべての請求書は一元的に処理されます。一般的な処理の流れは以下の通りだ:

  1. スキャンとデータ抽出:物理的またはデジタル形式で受け取った請求書は、自動化されたシステムにスキャンまたはアップロードされます。OCR技術は、ベンダーの詳細、請求書番号、日付、行項目、金額といった請求書の重要情報を認識し、抽出するために使用されます。
  2. データ検証:抽出されたデータは、事前に定義されたルールや基準に照らして検証されます。これにより、請求書データの不一致、エラー、矛盾の特定ができます。
  3. マッチングと検証:システムは、請求書データを発注書と自動的に照合し、商品やサービスが期待通りに受領されたことの確認ができます。
  4. 例外処理:検証および照合プロセス中に不一致や例外が検出された場合、システムはさらなる調査と解決のためにこれらの問題にフラグを立てることができます。
  5. ワークフロー管理:自動化されたワークフローは、事前に定義されたルールと階層に基づいて、請求書を適切な承認プロセスに進めるように設計されています。これには、さまざまな部署や個人に請求書を送り、レビューや承認を得ることなどが挙げられます。
  6. 支払い:請求書が必要な検証ステップと承認を通過した後、システムは支払い処理を開始できます。これには、支払指示書の作成、会計記録の更新、ベンダーへの実際の支払開始などがあります。

自動請求書処理のメリット

 

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自動化による盛況処理の改善は、ワークフローをスピードアップし合理化するだけでなく、財務管理と監視も強化します。次のような利点があります。

効率性

90% improvement in invoice processing times

請求書処理の自動化により、不必要な手順を排除し、ボトルネックを減らし、パフォーマンスを向上させ、無駄な時間を最小限に抑えることで、さらに効率的なワークフローが可能になります。また、記録の一元化も可能であり、これは会計処理のセキュリティ、アクセス、効率の面で重要です。会計処理の効率化には、潜在的なエラーの原因を特定し、排除することなども挙げられます。また、プロセスを標準化することで、一貫した方法で業務が遂行されることを保証します。ワークフローが最適化されれば、意思決定はより明確になり、業務はより速く完了します。

AIを活用した自動請求書処理により、企業は請求書処理時間を90%も改善することができ、ストレート・スルー・プロセッシングにより、かつて1~2日かかっていた作業が1時間未満に短縮することができます。従業員の生産性も最大400%向上し、経理担当者は問い合わせに費やす時間が30%短縮され、より価値の高い業務に集中できるようになります。

正確性

人間は、データを読んだり、入力したり、比較したりするときに疲れたり、注意散漫になったりすることがあり、それがエラーを引き起こす可能性があります。請求書処理を自動化することで、正確性、検証、パフォーマンスの向上、一貫性がもたらされるため、この問題が解消されます。 3点照合では、発注書と入荷商品が照合され、発注書と請求書の数量と価格が照合されます。また、自動化されたシステムでは、請求書と商品受領報告書を照合することで、さらなる正確性を確保します。この3点照合により、企業は全体的な効率を高めながら、過払い、過少払い、不正確な支払いを回避できます。

コンプライアンス

自動化された請求書処理は、承認ワークフローを遂行し、明確な監査証跡を保持するとともに、請求書を検証して不正やエラーの発生を抑えます。会社のポリシーや規制基準に従って請求書を処理することで、企業が税務、財務、業界のコンプライアンス要件を満たすと同時に、罰則を最小限に抑えることができます。

コスト削減

コスト削減は常に、自動請求書処理に切り替える大きな要因です。優れた支払業務自動化システムにより、企業は処理コストを91%も削減できます。最近の調査によると、業界横断的な請求書1通あたりの支払業務処理コストの平均は11ドルであるのに対し、最高水準の企業は請求書1通あたり3ドル以下しか費用をかけていません。請求書処理を自動化することで、企業は早期支払割引を利用できるようになり、経費削減に繋がります。

視覚化

自動化により、請求書のステータスに関するリアルタイムの追跡結果とサポートを提供します。このように請求書のライフサイクルを可視化することで、企業は未払いの支払いを追跡し、経費を予測し、より多くの情報に基づいた財務上の意思決定を行うことができます。

請求書処理を自動化する方法

1. 請求書処理ソリューションの選択

データのキャプチャ、認識、フィールド抽出、検証を自動化し、POベースの請求書のストレートスルー処理を簡単かつ正確に行うターンキー式自動請求書処理ソリューションを選択します。

2. ワークフローのカスタマイズ

組織内で請求書処理を効率的かつ効果的に完了するために、個人が追従するさまざまなステップ、アクション、意思決定の配置について戦略を考えます。ワークフローのカスタマイズには、固有の要件、好み、制約に合わせてワークフローを適合・構成することも含まれます。

3. 他の会計システムとの統合

請求書処理の自動化は、組織内ですでに導入されているERPインフラストラクチャと併用することができます。請求書処理ソフトウェアの主要プロバイダーは、情報システムや会計システムの市場をリードするソリューションプロバイダーに合うコネクターを無料で提供しています。これにより、コストを抑えた短期間での統合が可能となり、投資対効果を高めることができます。抽出・検証された請求書データ(および画像)は、それを必要とするシステム(RPA、CRM、ERP、BPM、ECM、会計システム)に転送され、よりスマートかつ迅速なエンドツーエンドの支払業務自動化ワークフローを実現します。自動化ワークフローを実現します。

4. テストと審査

カスタマイズしたワークフローは、管理された環境でテストし、フィードバックを集める必要があります。受け取ったフィードバックに基づいて、必要な調整ができます。また、ワークフローの効率を継続的に監視し、データを収集し、その効果を分析することも重要です。

請求書自動作成ソフトウェアに求められるもの

ビジネスに適した請求書自動作成ソフトウェアを選択することは、請求書と財務プロセスの管理における効率と精度に大きな影響を与える重要な決定です。さまざまな選択肢を評価する際に考慮すべき主な要因は以下の通りです。

  • 統合能力:ソフトウェアは、既存の会計、ERP、その他の関連システムとシームレスに統合できる必要があります。この統合はデータフローを合理化し、手作業によるデータ入力を削減します。
  • 使いやすさ:最小限のトレーニングで使いこなせる直感的に使用できるユーザーフレンドリーなインターフェースを選びましょう。専門的な知識がなくてもチームがワークフローをカスタマイズできる、ローコード/ノーコード(LCNC)機能も備えています。モバイルアクセスにより、外出先でも請求書の追跡や承認が可能となり、どのデバイスからでもシームレスな処理が行える環境を実現します。
  • 自動化の特徴 :自動データキャプチャ、請求書照合、承認ワークフローなどの機能を探します。この機能は、手作業を減らし、請求書処理サイクルをスピードアップするのに役立ちます。 
  • データ抽出とOCR:光学式文字認識(OCR)技術により、スキャンまたは写真撮影した請求書から主要データの抽出ができます。データ入力の自動化には、事前に訓練された抽出モデルによる正確なOCRが不可欠です。
  • 検証および承認ワークフロー:ソフトウェアが請求書と発注書(PO)、領収書を正確に照合でき、複数段階の承認や通知に対応していることを確保します。
  • セキュリティとコンプライアンス:特に機密性の高い金融情報に関しては、データセキュリティおよびコンプライアンスの業界標準を満たすソフトウェアを選択しましょう。
  • カスタマイズ性と拡張性:ソフトウェアは、フィールドやワークフローを自由にカスタマイズできるとともに、変化するビジネスニーズに対応するために増加する請求書の処理量に対応できるものであるべきです。
  • レポーティングと分析:請求書の処理時間、承認のボトルネック、その他の主要なパフォーマンス指標に関する洞察を提供するソフトウェアを選択します。これは、改善する点を特定するのに役立ちます。
  • ベンダーサポート: ソフトウェアベンダーが提供するカスタマーサポートのレベルを検討します。問題が発生した場合、またはカスタマイズのヘルプが必要な場合は、タイムリーなサポートが大事です。
  • コストとROI:ソフトウェア自体のコストと、それの導入によりもたらされる潜在的な時間とコストの節約分を比較評価します。効率性の向上とエラーの減少に基づいて、投資収益率(ROI)を計算します。

自動化された請求書処理の例

  • ヘルスケア: 発注書や物品受領書とシームレスに照合し、医療サプライヤーの請求書処理を自動化します。手作業による審査を削減することで、このシステムはベンダー契約の管理と医療規制への遵守を向上させ、支払いが受領済みの品目に対してのみ行われるよう確保します。
  • 保険: 保険請求関連の請求書からデータを抽出・検証し、保険契約の詳細やプロバイダー情報と照合することで、エラーを減らし、承認プロセスを迅速化し、迅速な顧客体験を実現します。
  • ロジスティクスとサプライチェーン: 輸送やロジスティクスにおける管理業務の負担を軽減し、出荷や配送の請求書と配送指示書や追跡データを自動的に照合することで、輸送業者への支払いをより迅速かつ正確に行うことができます。
  • 政府および公共部門:予算と規制基準に準拠した調達請求書の承認ワークフローを自動的にルーティングすることで、部門間で一貫した契約と購入を管理します。.

請求書処理の自動化にABBYYを選ぶ理由

業界をリードするABBYYのAIを活用した請求書処理ソフトウェアは、スピード、正確性、効率性を広範囲で実現し、以下を提供します:

  • クラス最高のAIとOCR:業界をリードするOCR技術と専用設計のAIが、あらゆる請求書フォーマットおよびあらゆる言語から高精度なデータ抽出を実現します。AIを活用した不正検知機能により、支払処理前に異常、重複請求、疑わしい取引を特定することができます。
  • シームレスな統合とスケーリング: あらかじめ構築されたコネクタとローコード統合により、ABBYYをERP、RPA、BPM、会計プラットフォームと接続し、スムーズなワークフローを実現します。ABBYYのソリューションは、クラウド、オンプレミス、APIの展開オプションを備え、拡大するビジネスニーズにも柔軟に対応します。
  • ローコード/ノーコード(LCNC):ビジネスユーザーは、技術的な専門知識がなくてもワークフローを設定し、カスタム・モデルを構築できるため、自動化がよりアクセシブルになり、変化するビジネスニーズに適応可能となります。
  • 迅速な導入とROI:事前訓練済みのAIモデルにより、初日から90%以上の精度を達成し、時間の経過とともにさらに精度を向上させることで、手作業による修正を減らし、効率を高めていきます。

これらの利点の組み合わせは、ABBYYのお客様に具体的な成果をもたらします。船舶用金属製品の大手メーカーであるGEMLUX社の例をご覧ください。自動化以前は、営業担当者が手作業で注文書を処理しており、100を超える注文や製品が記入される注文書の入力に30~45分を要していました。また、複数のサプライヤーからの注文をまとめる作業には丸一日かかることもありました。ABBYYのインテリジェント文書処理(IDP)をNetSuite ERPに統合することで、GEMLUXは発注書の処理時間をわずか3~5分に短縮しました。サプライヤーの注文管理も75%高速化しました。ABBYY IDPの導入により、GEMLUXは現在、他のドキュメントワークフローへと自動化を拡大しています。

各企業には固有の課題があり、ABBYYの専用AIソリューションは、特定の業種に合わせて事前に訓練されたモデルにより、さまざまなニーズに適応します。ABBYYがどのように請求書処理を最適化できるかをお知りになりたい場合は、今すぐ当社の専門家にデモンストレーションをご依頼ください

よくある質問

ABBYYが選ばれる理由
請求書処理を手動で行う場合と自動で行う場合の主な違いは何ですか?
請求書処理の自動化により、どれくらいの時間が節約できますか?
自動請求書処理は、請求書を自動化する以上のことができますか?
請求プロセスを自動化するには?
AIを活用した自動請求書処理とは?
Maxime Vermeir

Maxime Vermeir

AI戦略担当シニアディレクター

プロダクトとテクノロジーの分野で10年の経験を持つマキシム・ヴェルメアは、卓越したカスタマーエクスペリエンスを創造することに情熱を注ぐ起業家的プロフェッショナルです。リーダーとして、イノベーションコンサルタントのグローバルチームを管理し、大企業の変革イニシアティブを主導してきました。新しいテクノロジーと、それがどのように顧客価値を向上させるかについてのインサイトの創出は、マキシムが専門としている題目の中でも特に重要な要素です。信頼できるアドバイザーであり、この分野のオピニオンリーダーとして、ABBYYテクノロジーの市場認知拡大に貢献しています。

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